生活記

日記です。

妙見口駅に行った話

電車で妙見口駅に行ってきた。大阪最北の駅らしい。前情報はほぼなく、ただ能勢電鉄に乗りたいと、乗るなら終点まで行こうかと、そんな理由だ。わたしは阪急京都沿線に住んでいるし、能勢電鉄は同じ阪急沿線のようなものだし。久しぶりに仕事以外の電車移動をして思ったが、車での移動はほんとうに何もできないのだなあ。移動距離が長ければ長いほど、その時間は「運転のみ」となる。車を動かすことは楽しいので苦ではないが、時間に対してもったいないことをしているような気がしてしまった。電車であれば本も読めるし携帯だって触れる、なんなら、日帰りであっても到着地で酒を飲めるのだ。

妙見口駅に到着したのは朝十時くらいだった。改札を出ると、すぐに土産屋と飲食店、案内所がある。そもそもここは観光地らしい。案内所でパンフレットでももらうかなと近づくも、コロナウイルス感染症の影響で閉まっている。仕方がないので建物隣に設置してある看板を確認する。現在地から道は右中左と三本続いており、どの道を行っても結果妙見山にたどり着けるらしい。山を登ることになるのかと一抹の不安があったが、「ハイキングコース」と書かれている。「ハイキング」というくらいだ、さほどきついものでもないのだろうと歩きだす。三本の道の一つに「急坂」との記載があったため、その道は避けた。なんの変哲もなさそうな、コンクリートの道を選んだ。しばらく歩くと住宅街にさしかかり、まだまだ「山」という感じではない。まあ、駅からすぐに山道ということはないだろうから、なんとなく景色を見ながらとぼとぼと歩く。ところどころに妙見山に向かう方向を教える立て札があり、その通りに歩く。突然山道に入る道が出てきて、やっとか、と思う。「ここからは自転車での通行は危険です」「杖などの装備をお願いします」なんて記載がある。いうてハイキングコースだろう、と身一つでサクサク進むことにする。それがまずかった。

山道に入ってすぐ、でかい石が多量に転がっており歩きにくい。しかし、それだけだ。足元に気を付けて歩いていればさほど問題ではない。傾斜もゆるやかだ。こんな登山なら余裕だなと思いながら四十分くらいあるいたところで、ふと気づいた。これ、先に道がないな。わたしはずっと「わだち」的なところ、例えばゴロゴロとした大きい石がなかったり、草が生えてなかったり、そういうったところを選んで歩いていた。数分したころからその「わだち」が、細く、険しくなっていることには気付いていた。まあ山道なんてのはこんなものなのだろうなあと思っていたが、ついに道がなくなってしまった。そして、おそらくいつからか、わたしは「わだち」ではなく、「水が流れていたっぽいところ」を歩いていたのだ。おわかりだろうか。干からびた小川のような道を、わたしは無理くり歩いていたのだ。台風の影響かなんなのわからんが、よく見ると周りは折れた木が散乱しており、曲がった木が曲がった木を支えて立っており、今、わたしの頭上に倒れ込んできてもおかしくない状況のものもある。完全に道を間違った、と怖くなった。一応道だと思って進んでいたものがあるからかろうじて戻れるってもので、一歩間違えたら遭難じゃないか。どこで道を間違ったのかもわからんし、ここ以外に道らしいものがあったともわからぬ。もしかしたらわたしの進んできた道で間違いなく、道なき道を突っ切るのが正解だったのか。だとしたら、完全に「ハイキング」ではあるまい。山道まじでイミフ、コワ~…と思いわたしの妙見山散策は終了した。そのまま即ユーターンで帰宅したし、今後も行くことはないだろう。

 

帰り、駅前の飯屋で猪肉の卵とじ丼を食った。それは非常にうまかった。いや、丼もさるものながら、ついてきた漬物がばつぐんにうまかった。併設されている土産屋に売っていれば買って帰ろうかと思うほどだったが、満腹になると、そんな気も薄れてしまっていた。